ノーベル経済学賞はノーベル賞だと認められていないって知ってた??
近年日本人のノーベル賞受賞者が増え、ノーベル賞自体に注目が集まっていますね。
そのノーベル賞の中で経済学賞だけがほかの賞と区別されていることを知っていましたか??
とはいうものの、他のノーベル賞と同様に発表され、授賞式も行うので、扱いはかわりません。
ちなみにほかのノーベル賞は以下の5分野です。
では、なぜ経済学賞だけがノーベル賞だと認められていないのか・・・。
その訳について詳しく見ていきたいと思います!
ノーベル経済学賞はノーベル賞ではない!?その訳とは?
そもそもノーベル経済学賞とは?
ノーベル経済学賞は1968年にスウェーデン国立銀行が設立300周年祝賀の一環として、ノーベル財団に働きかけ、設立された賞なのです。
そもそも、ノーベル賞はノーベルの遺言に基づいて設立された賞なのですが、経済学賞以外の5分野についてはノーベルの遺言の中で詳細に記載があるのですが、経済学賞については記載がないのです。
ノーベル経済学賞の正式名称
「ノーベル経済学賞」と言われていますが、これは通称です。
ノーベル財団は、経済学賞を「ノーベル賞ではない」としていますので、単に「経済学賞」と呼んでいるのです。
ちなみに、経済学賞の正式名称は以下の通りです。
(スウェーデン語)
Sveriges riksbanks pris i ekonomisk vetenskap till Alfred Nobels minne
この英訳が・・・
The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel
これを日本語訳すると・・・
「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」または
「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」
日本語の定訳がないため、上記の2パターンで訳されるケースが多いのです。
経済学賞の扱いは他の賞とは違う?
経済学賞は他の賞と区別されていますが、ノーベル化学賞や物理学賞と同じくスウェーデン王立科学アカデミーにより選考され、ノーベル財団によって認定されます。
授賞式などもノーベル賞と同じように行われているのです。
王立科学アカデミーは新しいノーベル賞として設立を承認したものの、アルフレッド・ノーベルの子孫やノーベル文学賞の選考を行うスウェーデン・アカデミーは賛成していないのが現状です。
しかし、この経済学賞は経済学における最も権威ある賞の一つされているのです。
1969年に経済学賞の授賞が始まりました。
経済学賞はアルフレッド・ノーベルの遺書には記載されていないため、賞金はノーベル基金ではなくスウェーデン国立銀行から拠出されているという点が他の賞と大きく違うところなのです。
申し訳一つ違う点は、メダルのデザインです。
他の賞とは異なるデザインなのですが、他の賞と同様にアルフレッド・ノーベルの肖像が刻まれているメダルを授与しているのです。
賞金額も他の賞を同じです。
ノーベル財団・正式な委員会のメンバーは、経済学賞について言及するとき「ノーベル」という部分を省き、ただ「経済学賞」という言い方をします。
これは前途した通り、ノーベル財団は経済学賞をノーベル賞とは認めていないからです。
ノーベル財団の公式サイトをみるとわかりますが、「ノーベル物理学賞」「ノーベル化学賞」などと紹介する一方で、最後の部門は「経済学賞」とのみ記していたりするのです。
しかし、メディア等ではそのような背景への配慮はなく、経済学賞も「ノーベル経済学賞」と報道し、他の賞と同様に扱うケースがほとんどのため世間一般にも経済学賞もノーベル賞の一つと認識されているのが現状なのです。
まとめ
ここではノーベル賞の中で「経済学賞」に焦点を当てて紹介してきました。
ノーベル賞の中で、他の賞と「経済学賞」の設立された背景の違い、扱いの違いなど、メディアを通じて世間一般に知られている情報とは違う部分があることを紹介してきました。
簡単におさらいしましょう(*^^*)
経済学賞は1968年にスウェーデン国立銀行が設立300周年祝賀の一環として、ノーベル財団に働きかけ、設立された賞である。
他の賞はノーベルの遺言通りに設立された賞である。
そのため、ノーベル財団では「経済学賞」をノーベル賞とは認めていないのです。
それでも「経済学賞」は経済学界において、世界的に最も権威のある賞であることに変わりありません。
色々な背景を知ると、興味深いですよね。
今年もノーベル賞のニュースが楽しみですね♪