スウェーデンの人口の増え方がスゴイ!
ヨーロッパ諸国の中でも特に人口の増加率が高いのがスウェーデンなのです。
私がスウェーデンに住んでいた、2001年ごろは約900万人弱だったのが、2017年にはついに1,000万人を超えたのです。
このままいくと、2024年に1,100万人に、2060年に1,300万人に達すると言われています。
人口が増えると聞くと、そんなに出生率が高いの?なんて思いがちですが、スウェーデンの場合は違うんです。
出生率は1.94人なので、普通にいけばそんなに人口が増えるわけないのですが・・・この急スピードでの増加の訳はそう「移民」なのです。
ではなぜ移民がこんなに増えているのか?その現状について詳しく説明しますね!
ご興味ある方はぜひ最後までお付き合いください(*^^*)
スウェーデンの人口増加のスピードがとてつもなく速い!そのわけはやっぱり・・・
スウェーデン入国移民
スウェーデン統計局によると、人口の19.6%(約1,858,000人)が、国外にルーツを持つ人間であると発表しています。
これは自分が国外で生まれたか、もしくは両親のどちらかが国外生まれであるということを意味しています。
Eurostatによると、2010年のスウェーデンには、113万人(人口の14.3%)の国外出生者がおり、うち 477,000 (35.7%) がEU国籍者、859,000 (64.3%) はEU外の国籍者であると発表しました。
ちなみに、2015年に国外で出生したスウェーデン国籍者は、上位国は以下の国々です。
- フィンランド (156,045)
- イラク (131,888)
- シリア (98,216)
- ポーランド (85,517)
- イラン (69,067)
- かつてのユーゴスラビア (67,190)
- ソマリア (60,623)
- ボスニア・ヘルツェゴビナ (57,705)
- ドイツ (49,586)
- トルコ (46,373)
いつからスウェーデンに移民が増えだしたのか?
①戦後の移民受け入れ:1940-1979年
第二次世界大戦で中立を保ったスウェーデンは、戦後復興が早い段階でできました。
しかしそこで必要になったのは人的資源。当時、隣国のフィンランドをはじめとして、イタリア、ギリシャ、旧ユーゴ圏の国、トルコ、バルカン諸国から多く移民がやってきました。
1970年代になるとその急激な移民増加から規制がかかりました。入国するのに雇用契約書や経済力を示す書類、居住許可書の提示が必要になりました。
②スウェーデンへの亡命者の増加:1980-1999年
この時代は紛争による亡命者が増えた時代でした。
これまでは職を目的としてスウェーデンに来る人が多かったのですが、この時代では安全な生活を求めてスウェーデンにたくさんの人が来たのです。
特に以下の大きな紛争による難民が急増しました。
イラン・イラク戦争:
1980年に勃発したこの戦争によってイラク、イランからそれぞれ7000人と27000人の難民がスウェーデンにやってきました。アメリカ主導のイラクへの介入によってさらに難民が増え、スウェーデンにやってきました。
ユーゴスラヴィア内戦:
1990年代にこのユーゴスラヴィア内戦によって、10万人のボスニア人や3600人のアルバニア人がスウェーデンに難民としてやってきました。
③シェンゲン協定とEU諸国:2000-2012年
1995年からEUに加盟しているスウェーデンは、2001年にシェンゲン協定に加盟しました。
※シェンゲン協定:ヨーロッパ間の国家同士で、国境での審査なしで国を行き来できる協定
つまり、これによってシェンゲン協定に加盟しているヨーロッパ諸国がスウェーデンにやってきました。
逆にスウェーデンからも他国へ移民としていく人も増えました。
まとめ
スウェーデンの移民の歴史があることが分かったかと思います。
当初は受け入れに寛容であったスウェーデンも、その数が増えていくにつれ、文化摩擦や国家としての財政難、社会保障にヒビが入ってきたのかもしれません。
増加した移民難民との共存にまだまだ問題もありますが、今後も増えるであろうスウェーデンの人口について、その背景を知っておくとよいかもしれませんね。